# SpawnSubTask タスクを並列サブタスクに分解して実行する。各サブタスクは独立した worker(ジョブ)で動き、完了後に親タスクが結果を集約する。 > **デフォルト無効(opt-in)**。SpawnSubTask は Bash などと同じセンシティブ扱いのツールで、初期状態ではエージェントに提示されない。使うにはワークスペースの **設定 → ツール** タブで明示的に有効化する。有効化していない場合、SpawnSubTask は呼べず、分解は [`Delegate`](./delegate.md)(直列・インプロセス)で行う。 > > タスク分解の既定手段は Delegate(直列)。research / general / brainstorming などのピースは Delegate でサブ調査を 1 件ずつこなす。SpawnSubTask は「壁時計時間の短縮のために独立テーマを本当に並列で走らせたい」ワークスペースだけが有効化する。 ## 基本 ```js SpawnSubTask({ title: "ローカル LLM 比較調査", instruction: "Ollama, vLLM, llama.cpp の最新性能ベンチマークを比較する。各ツールについて: 1) 直近6ヶ月の主要ベンチマーク, 2) ハードウェア要件, 3) 対応モデル一覧 を output/report.md にまとめる。", piece: "research" // 任意。指定しないと自動分類 }) ``` 呼び出すと `subtasks/{index}/` にサブタスクのワークスペースが作られ、結果はそこに集約される。 ## いつ使うか まず Delegate(直列)で足りるかを検討する。SpawnSubTask は opt-in で有効化したうえで、**並列の別ジョブで壁時計時間を縮めたい**場合に限って使う。 ### 並列分解が効果的なケース - 2 つ以上の **独立したテーマ**(互いに参照しない) - 各テーマが軽くなく、調査・処理に時間がかかる - 分解後の各タスクが単独でも意味を持つ成果物になる - 壁時計時間の短縮が GPU・実行枠の追加消費に見合う 例: - 「3 つの製品比較レポート」→ 製品ごとに 3 サブタスク - 「複数 PDF の OCR 処理」→ ファイルごとに分解 - 「複数 SNS の情報収集」→ プラットフォーム別に分解 ### 分解しないほうがよいケース - 単一テーマで論理的に連続する処理(A→B→C のように依存) - サブタスクが極端に小さい(オーバーヘッドの方が大きい) - 全体像を見ながら判断する必要がある作業(対話的タスク等) ## instruction の書き方 - **完結した依頼文**で書く(親タスクの文脈を持たないので、サブタスクは instruction だけで判断する) - 期待する成果物(出力ファイル名・場所)を明示 - 必要な前提情報があれば文中に展開 ❌ 「これと同じ調査を別キーワードでやって」 ✅ 「キーワード『A』『B』『C』について、各々のメリット・デメリットを比較する独立した調査を行い、output/A-vs-B.md にまとめる」 ## piece の指定 - 省略時: 親と同じ classifier ロジックで自動選択 - 明示する場合: `research`, `general`, `office-process` 等の piece 名を指定 ## WaitSubTask(完了待ち) `SpawnSubTask` でサブタスクを起動したあとは、**`WaitSubTask`(引数なし)を 1 回呼んで全サブタスクの完了を待つ**。 ```js SpawnSubTask({ title: "A の調査", instruction: "..." }) SpawnSubTask({ title: "B の調査", instruction: "..." }) SpawnSubTask({ title: "C の調査", instruction: "..." }) WaitSubTask() // ここで全部の完了を待つ // 再開後、subtasks/*/result.md を Read して集約 → complete ``` - `WaitSubTask` は **同期的にブロックしない**。呼ぶとジョブはいったん停止(park)して worker を解放し、全サブタスクが終わると **同じ movement のまま再開** する - 再開時、各サブタスクの結果は `subtasks/{index}/result.md` に書き出されている。Read で読んで集約レポートを作る - 起動した分の成果物は `subtasks/{index}/output/` 以下にも残る ### ワークフロー 1. `SpawnSubTask` を必要な数だけ呼ぶ(並列に起動される) 2. `WaitSubTask()` を 1 回呼ぶ 3. 再開後、`subtasks/*/result.md` を読んで集約する 4. `complete` で終了する ### auto-park(取りこぼし防止) サブタスクがまだ走っている最中に `complete`(success)を呼んでも、エンジンが**偽の完了を返さず、自動で park して完了を待つ**。`WaitSubTask` を呼び忘れても結果を取りこぼさない安全網。とはいえ意図を明示するため、原則 `WaitSubTask` を明示的に呼ぶこと。 ### orphan の自動キャンセル 親ジョブが**失敗・キャンセル・リトライ**したとき、まだ走っているサブタスクは**自動でキャンセル**される。親が消えたのに子だけ GPU を使い続ける「ゾンビサブタスク」は発生しない。 ただし **ASK(ユーザー回答待ち)で停止した場合は子を残す**。親があとで再開して結果を使うため。 ### delegate との違い | | delegate | SpawnSubTask + WaitSubTask | |---|---|---| | 既定 | **デフォルト有効**(分解の既定手段) | **デフォルト無効**(要 opt-in 有効化) | | 実行 | 直列・インプロセス | 並列・別ジョブ | | 待機 | 自動(1 ツール呼び出しで完結) | `WaitSubTask` で待つ | | 負荷 | GPU・実行枠が軽い | 並列ぶん多く消費する | | 向く用途 | 逐次の分解・重い委譲全般 | 独立テーマを並列で短時間化したいとき | ## 起動の間隔(spawn_stagger_ms) 短時間に大量の `SpawnSubTask` を呼ぶと、その一団が GPU スロットの優先順位を一気に奪ってしまう。これを避けるため、`SpawnSubTask` のキュー投入の間に既定で 1 秒の間隔を入れる。 ```yaml subtasks: spawn_stagger_ms: 1000 # SpawnSubTask 投入間の間隔(ミリ秒、デフォルト 1000、0 で無効) ``` - `0` にすると間隔を入れず即時に投入する - エージェントから見た呼び出し方は変わらない(透過的に間隔が入るだけ) ## 結果の参照 サブタスク完了後、親タスクは: - `subtasks/{index}/result.md` にサブタスクの要約結果がある(Read で読む) - `subtasks/{index}/output/` 以下にサブタスクの成果物がある ## 制限 - ネスト深さは `subtasks.maxDepth`(デフォルト 2)まで - サブタスクが waiting_human 等で停止すると親もブロックされる